お祭りの山車は地域によって
色々な特徴があります。
今回は、
・山車の始まり
・山車の各地の言い方
・山車の種類や型、それぞれの特徴
などをまとめました。
参考にしてください。
目次
山車の始まりは?
山車の起源は、祇園御霊会
(ぎおんごりょうえ)の
「山」にあるとされています。
古来、神様は天から地上に降りてくる際、
山や高い木等を依り代と
すると考えられています。
山車(だし)は、
自然の「山」を模して作られました。
疫病や天災をもたらす神を慰め、
他界へ送るために始まったと
言われています。
室町時代中期の(1467年~1477年)
(応仁の乱)以降、京文化とともに
「山」が伝播しました。
各地域ごとに工夫、独自の山車文化が
形成されたため山車の形態だけでなく、
名称も地域により異なります。
山車の言い方がこんなに?

山車(だし)は、各地域により
様々な言い方があります。
●山のつくもの
・山車(だし)
・曳山(ひきやま)
・舁き山(かきやま)
・山鉾(やまほこ)
・山笠(やまかさ)
●車のつくもの
・祭車(さいしゃ)
・御車(おくるま)
●笠のつくもの
・笠鉾(かさほこ)
・お笠(おかさ)
●台のつくもの
・屋台(やたい)
・太鼓台(たいこだい)
・台楽・台額(だいがく)
●だんじり
●祢里(ねり)(静岡県掛川市横須賀)
沢山の言い方がありますね。
山車の種類は?
山車(だし)の型は
多数あります。
今回は
・江戸川山車
・名古屋山車
の特徴についてご紹介します。
江戸型山車

出典:Wikipedia
古く江戸の山王祭・神田祭を
中心とした祭礼において
引き回されていた山車です。
京都の祇園祭の山車が源流の1つと
されています。
傘鉾は、傘の周りに幕を垂らして、
傘の上には、鶏や御幣などの
作り物を立てます。
やがて、それらの山車の中から
1、吹貫型山車
2、万度型山車
3、鉾台型山車
と呼ばれる山車が現れます。
吹貫型山車

出典:Wikipedia
車の上に1本の柱が立ち、その柱の上のほうに
大きな吹貫を付けて、柱の先端に
鶏や人形等の飾りを置いたものです。
埼玉県の寄居町の
【寄居秋祭り(宗像神社例大祭)】
の山車は1本柱の作りが多いです。
寄居町観光協会の
サイトからご覧になれます。
万度型山車

出典:Wikipedia
江戸時代の寛政1789~1801年頃の
山車と言われています。
二輪車の上に柱が立ち、
下から布を垂らした傘、
その上に万度(まんど)と
言われる箱型のもの、
その上に石台と呼ばれる岩を
模した円盤状の張り子、
さらにその上に人形や造花等を飾っています。
・遠州横須賀三熊野神社
(静岡県掛川市)の「禰里」(ねり)と
呼ばれる山車はほぼ同一の形態です。
・秩父夜祭(埼玉県)の「傘鉾」は、
万度型山車を発展させたものです。
埼玉の秩父夜祭は、
・京都の祇園塞
・飛騨の高山祭
とともに、日本三大美祭及び
日本三大曳山祭になっています。
鉾台型山車

出典:Wikipedia
江戸型山車の中でもっとも知られ、
現在も関東地区のお祭りで
見ることができます。
鉾台は、柱の先に正方形の台を乗せ、
その台のまわりに幕を垂らします。
台の上には、人形などを飾ります。
山車が江戸城より高くなってしまうため、
上下のスライド式の仕掛けで門を潜る
こともありました。
鉾台型山車は、東京以外の
関東各地の祭礼に伝播しています。
現在では埼玉県の川越祭、
栃木県のとちぎ秋祭りなどで
ご覧になれます。
名古屋型山車

出典:Wikipedia
愛知県名古屋市を中心とする、
尾張地方広域に分布している
山車の形式の1つです。
1619年(元和5年)、名古屋東照宮祭礼の
ために建造されたものを元に、
現在の名古屋地域で広がっていきました。
名古屋型山車の基本構造は
・台輪(だいわ)
・銅山(堂山)(どうやま)
・前棚
・上山
からなる2層構造です。
・台輪:外輪式です。
おおよその大きさは、
・全幅 約2~3m
・全長 約7m
・最低高 約4m
・最高高 約6m
程度となっています。
名古屋型の山車の種類として
1,知多型(ちたがた)
2,犬山型
3,津島七切型
4,岩倉型
5,挙母型(ころもがた)
6,大垣型
などがあり、複雑に分化しています。
知多型(ちたがた)
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出典:Wikipedia
愛知県半田市を中心とする
知多半島全域と西三河南部地方の
一部に分布しています。
「半田型」とも呼ばれています。
この地域では、山車を
「御車(おくるま)」と
言ってるところが多いです。
大きさは、名古屋形とほぼ同じですが、
台輪が内輪、
また山車では彫刻が多いのも特徴です。
犬山型

出典:Wikipedia
他のところでは、2層が多いのですが、
犬山型では
・下層 お囃子所
・中層 最上層のからくりを動かす
・最上層 からくり
の3層の構造となっています。
津島七切型(つしまななきりがた)
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出典:Wikipedia
尾張地方広域の分布しています。
尾張地方の山車の中でも、
軽く小回りが利く小型の部類です。
この特徴から、巡行時に山車の
前方を持ち上げて方向転換させる技法
「車切(しゃぎり)」が、
お祭りの見どころになっています。
岩倉型

岩倉山車まつりで見られる
三層唐破風の外観です。
外輪の車輪は輪懸で
覆われています。
山車の幅が非常に広く、
下層の柱は12本となっています。
現存する山車では、尾張地方でも
最大級です。
挙母型(ころもがた)
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挙母まつりで見られる山車です。
霞幕(かすみまく)と呼ばれる
庇(ひさし)のような幕、
六本柱が上山の3層造りです。
一流どころが手掛けた彫刻や幕は
素晴らしく、文化財としての
評価も高いです。
挙母まつりでは山車と一緒に
大量の紙吹雪が町中にふり注ぎます。
大垣型

大垣周辺に分布し
大垣まつりで見られる
山車です。
・前棚を持つ形式、
・前棚がない形式、
・正面に舞台を持つ形式
の三種類あります。
車輪は内輪、背面は漆工や彫刻で
飾られているのは共通です。
まとめ
●山車の始まり
●山車の各地の言い方
●山車の種類
・江戸川山車
1、吹貫型山車
2、万度型山車
3、鉾台型山車
・名古屋山車
1,知多型(ちたがた)
2,犬山型
3,津島七切型
4,岩倉型
5,挙母型(ころもがた)
6,大垣型
についてご紹介しました。
各地に色々な種類がある山車。
地元の方が伝統を大切に守って
引き継いでる姿が伝わってきます。
彫刻や人形など、日本の技術の
凄さには圧巻します。
最後までご覧頂きまして
ありがとうございました。
